JSTアンケート調査結果による統計

活動が終了する際、JSTが招へい者全員に行った調査結果(日本語訳)

 

1)今回日本に来て桜の科学技術計画の交流プロジェクトに参加するのは満足していますか?
(1) 非常に満足 18人 (学生100%)
(2) 満足 1人

 

2)今回の交流プロジェクトで印象的な項目は何ですか?
(1) 科学研究機関の訪問 17人(学生86%人)
(3) 日本文化の体験 1人(学生7%)
(4) 其他 1人(学生7%%)

 

3)見学する高校、研究機関、科学技術館などの科学技術体験に満足していますか?
(1) 非常に満足 18人 (学生100%)
(2) 満足 1人

 

4)再び来日したいですか?
(1) とても来たい14人 (学生93%)
(2) 来たい 5人(学生7%)

 

5)上記4中について「(1)(2)」と回答した人に対しては、どのような方の式で来日したいでしょうか。
(1) 留学生 12人(学生86%人)
(2) 研究者 1人(学生7%)
(3) 企業従事者 1人(学生7%)
(4) 其他 5人

 

6)帰国後、こちらの日本の科学技術や留学に関する情報を提供しほしいですか。
(1) 非常にほしい 15人 (学生94%)
(2) ほしい 5人(学生6%)

 

感想文

科学技術交流―日本10日間の感想/ 北京崇徳中和文化発展中心  (団長)張継蓮

 

[名古屋に着いて]

 「北京崇徳中和文化発展中心」は、2018年度「さくら科学技術交流プロジェクト」の参加に向けて、「異文化理解フォーラム」との共同申請から準備、生徒の研修等に半年余り費やし、2018年9月23日~10月2日プログラムを実施しました。送り出したのは、山西省五台県の2つの職業高校からの15名の生徒と、4名の引率教師です。その90%の人は、今回が初めての外国旅行でした。日本滞在日程の内の8日間で、農業、水利、生態環境の発展に関連する視察の計画です。生徒たちにとっては、初めての外国旅行ということで、とても気持ちが高揚し、活動への期待が大きいものでした。

 

 名古屋に降り立ち、初めの2日間で生徒と先生達が感じた日本の印象は、青い空と白い雲、きれいな道路、行きかう人たちのマナーの良さでした。その後の日程では、日本人の時間とルールを守ることに感心し、14名のほとんどの生徒たちは自分のことを振り返って反省したりしていました。最後の日に、ある一人の生徒が、時間を守り、礼儀と近代化こそ、日本のレッテルだと思うと言っていました。

 

 9月24日には、最初の実質活動日程が組まれ、1.名古屋市科学館の参観 2.トヨタ産業記念館の参観をしました。この日は生徒たちにとって、視野を大きく広げ、とても楽しめる内容でした。館内のどの一つ展示もおろそかにしたくない気持ちで、食い入るように見ていました。ある一人の生徒が、そこでの「元素周期律表」を見終わって、自分は化学を今専攻しているのだが、授業が余りにも抽象的で(実験も無く)専攻を変えるつもりだと言っていました。でも、彼が、化学は本来、ここでの展示あるように、直感で私たちに物の状態がどのようになっているかを見せてくれるものだと言い、彼は専攻を変えずに続けて化学を学ぶことにしたと言ったのです。ここで彼の視野がより高い世界へと広がり、より多くを得たのだと思います。

 

[トヨタ精神を学ぶ]

豊田産業技術記念館で、講師の方が、1993年に豊田自動織機製作所が自動車部を設立し、それから始まって世界の自動車産業を牽引するようになったと説明してくれました。トヨタの初期の頃の企業文化を代弁する、「車到山前必道、有路必有豊田車;山の前に来ても必ず道は開ける、道が有れば必ずトヨタ車がある;中国の有名な故事成語をもじった、トヨタ車のキャッチコピー」があります。私は、これがトヨタ社員の励みの言葉になっているのではと、信じます。また、もう一つの企業文化として、社員が一丸となって推し進める「創意工夫」の提案制度があります。これで、トヨタは高い技術力と、潜在的な革新力を確保しています。トヨタは、日本の三大納税企業であり、その企業文化は時代とともに変化します。豊田綱領に「上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし」とあります。

 

トヨタ関連企業のどの生産現場の壁にも「顧客第一、品質第一」のスローガンが掲げられています。私は、良い生活は高い品質の製品とは不可分のものと思います。人は誰でも自分の使うものが安心できるもの、安全なものであることを願っています。

 

 日本について2日目の歓迎会で、公益財団法人「あすて」の豊田彬子理事長が御挨拶の中で「報恩感謝の生活をすべし」という言葉を述べられました。その後もいろいろな場面で、理事長は生徒たちや、会った人達に、この「報恩感謝の生活をすべし」をことあるごとにおっしゃっておられました。これもまたトヨタの企業文化の一つです。人は恩を学び、学んだ恩は一生の財産になるのです。トヨタはこの思想を当地の社会に根付かせ、当地の経済と社会のために貢献しています。

 

[生態環境保護における企業と社会責任]

私たち一行が感触を最も強くしたのは、トヨタが一企業として、過去も現在もこの地の多くの課題解決を担ってきていることです。実施前の課題の掘り起し、探索と調査研究の仕事の多くをトヨタが担っています。例えば、豊田市の(エコフルタウン)、野菜工場、豊田森林組合など、その他にトヨタが企業経営方式で得た成果を応用する研究もあります。その紹介のとき、私たち(トヨタ)の将来の課題に対する研究成果が、世界に対しても参考にする価値があると願っていますと言うのを、私は聴きました。

 

[友好に対する若い人達の期待]

 5日目はOISCAを参観しました。14名の生徒は、六か国から来た留学生と交流しました。彼らは、言葉の違いをものともせずに、絵とジェスチャーを使って交流しました。生徒たちは夜の振り返りミーティングのとき、日本に来て以来もっとも愉快で楽しい一日だったと発表していました。もっと多くの時間一緒に過ごしたかったとも言っていました。留学生たちと一緒に作業し、食事をし、歌って踊りました。歓声と笑顔に溢れ、忘れ難い一日でした。この素晴らしい一日が、きっと14名の生徒の内の7名に、日本に留学に来たい想わせようになったのでと、考えます。29日の活動は、当地の4人の高校生との交流です。生徒たちは、とても楽しみにして、このためのプレゼントを準備していきました。その日はずうっと雨でしたが、交流への支障はなく、熱い気持ちで、互いのプレゼントを交換しました。交流で生徒たちは自分の足りないところを自覚しました。私自身、一人の大人として、青年たちが国際社会の友好と平和を推し進める力を発揮するようになって欲しいと願っています。
日本での10日間は、活動内容は本当に素晴らしく、多くの感想、思い出をいただきました。この喜びはこの限られ紙面では言い尽くせません。本当に皆様、ありがとうございました。

 

[さくら科学技術交流プロジェクトへの提言]

交流が名古屋地域だけで行われるのではなく、日本の更に多くの科学技術の発展状況も、見ることができればと思いました。また討論する環境ももっとあれば、科学技術に限らず、高校生が日本の高校生の授業を体験するとかもあればと思いました。
                     2018年10月8日

 

 

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