「在日中国人画家曾剣雄(1~4)」翻訳経緯
2021年2月19日
2020年8月11日から、1ヶ月かけて、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)中国総合研究・さくらサイエンスセンター(CRSC)が運営する中国向けの発信サイト「客観日本」に、中国語記事「在日中国人画家曾剣雄(1~4)」が連載されました。
このシリーズのレポートでは、豊田市に在住する中国人画家曽剣雄氏が日本の油絵分野での活躍ぶりと業績を紹介しました。また、曽氏が日本に来て有名な芸術家に成長していく20数年間、日本の各方面から支援と支えの物語の一部を取り上げました。さらに、日本国民の芸術教養など日本社会の芸術文化を紹介しました。中国の読者に、在日中国人芸術家の活躍と日本の芸術文化の一面を知ってもらいたいことは記事の目的であります。
長年曽氏を支援・応援してきた多くの日本の方々にこの記事を読んでいただきたく、十数名の日本人と在日中国人の有志ボランティアが2020年8月中旬から翻訳を取り組み始めました。
記事の日本語訳を通して、曽氏が有名画家になったのは日本の方々の支えのおかげであることと、日中両国の交流と理解の物語を広く伝えたいと願っています。
翻訳作業を進めるに次のプロセスがありました:
- 1)メンバーの分担によって、中国語原文を日本語にします。担当者の多くは中国語ネイティブメンバーでした。
- 2)日本語ネイティブメンバーAは、それぞれ翻訳文の文法や表現に目立った間違いを直します。
- 3)日本語ネイティブメンバーBは、文章全体に統一感のある日本語らしい文章に修正します。
- 4)原文作者は、訳文の正確さの確認と、挿絵の挿入、題名・字体の調整をします。
- 5)日本語ネイティブメンバーCは、文章全体の日本語を再確認します。挿絵の入った文章の形式と、句読点・記号、文字の漏れなどのチェックや、挿絵の注釈日本語訳を行います。
- 6)チーム外部のネイティブ日本の方に文章に対する日本語の違和感や表現の不適さについて指摘をしてもらいます。
- 7)数人のメンバーが指摘された箇所を確認し、意見の採択について話し合い、最終的な修正をします。
半年かけて、約13000字の中国語記事を17600字余りの日本語文章に完成しました。
ボランティアたちはこの活動を通して得たこと:
- 1)中国語ネイティブのメンバーには、ネイティブ日本語文章力の向上。
- 2)日本語ネイティブのメンバーには、メンバーの翻訳からネイティブ中国語への理解の確認と勉強。
- 3)正しい日本語であっても、日本語らしい表現において、中国と日本の考え方の違いに気づき。
- 4)正確でネイティブな表現であっても、読者の立場や気持ちで文章を読むとき、表現の配慮や言い回しの必要性。
- 5)以上のような、教科書にないもの、日常深く考えない、気づきにくい文化の違いについて、翻訳の作業を通して、言語の勉強のみならず、文化への理解の深化。
- 6)多人数が関わる作業であったが、進む段階に沿って、担当者の役割を明確にし、段階ごとに7回の進展報告で情報共有をした。すべてオンライン作業であったが、透明なコミュニケーションによって、進展がスムーズにでき、チーム翻訳の活動経験を積んでいた。